赤ちゃんの歯並びで知っておきたい3つのポイント~すきっぱ大丈夫?

赤ちゃんに乳歯が生え始めてしばらくたってみると、すきっぱになってしまった!
子供の将来の歯並びが心配な方へ、すきっぱなど歯並びに関して知っておいてほしい3つのポイントをご紹介します。

赤ちゃんの歯並びは「すきっぱ」が理想

うちの子すきっぱだけど大丈夫かな?ずっとこのままだったら可哀想…と悩んでいませんか?実は赤ちゃんのほとんどがすきっ歯です。永久歯は今生えている乳歯よりも一回り大きいので、すきっぱの方が永久歯の生えるスペースがあって良いのです。

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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学 著:増田純一、下川公一、河原英雄他著/クインテッセンス出版株式会社.

逆に歯と歯の間に隙間がないキレイな歯並びだと、永久歯が入るスペースが足りなくなることがあります。そして、スペースがない状態で永久歯が生えると、歯がガタガタになり、歯並びが悪くなってしまいます。そのため、乳歯のときは隙間がある「すきっ歯」が良いとされています。

また、すきっぱだと歯と歯の間をしっかり磨くことができるため、きちんと歯磨きしていれば、虫歯になりにくいです。そのため、すきっぱだったら「しっかり歯磨きできるし、永久歯のスペースもあるからラッキー」くらいに思っておきましょう。

しかし、油断は禁物です。もし乳歯を虫歯にしてしまうと、後から生えてくる永久歯にも影響が出てしまうので、歯磨きはしっかり行いましょう。特に歯と歯の間は虫歯になりやすいポイントの1つです。きちんと磨いて虫歯を防ぎましょう。

赤ちゃんの歯並びはいつ決まる?

赤ちゃんの歯並びは、乳歯から永久歯に生え変わる時に徐々に決まっていきます。そのため、実際に生えそろってみないとわかりません。

しかし、歯並びは遺伝的要因と環境要因の2つの要因があります。
遺伝的要因は親の骨格や歯並びが悪いと子供もそれを受け継ぎ、歯並びが悪くなるというものです。遺伝であれば、あらかじめ予想が付きやすいため、早めに対応して治すことができます。もし、遺伝的な要因を心配されるようであれば早めに歯医者へ相談しましょう。

また、遺伝的な心配はなくても、歯医者で顎の大きさにたいして歯の大きさを見てもらい、歯並びが悪くなるかどうかを予想してもらうこともできます。
しかし、赤ちゃんの成長に従ってあごも日々発達して大きくなっていくため、100%とは言い切れません。気になるようであればその都度、歯医者へ行き、相談しましょう。

歯並びを良くするなら指しゃぶりと口呼吸をやめさせる

遺伝的要因の恐れがなくても、赤ちゃんの癖や習慣などの環境的要因で歯並びが悪くなる恐れがあります。
具体的には指しゃぶりと口呼吸が原因となることが多いです。

まず、指しゃぶりは長く続けていると出っ歯や開咬(かいこう)になります。3歳くらいまでの指しゃぶりは子供にとって正常な行為ですが、5歳を過ぎても指しゃぶりが残っていると歯並びが悪くなります。

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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学 著:増田純一、下川公一、河原英雄他著/クインテッセンス出版株式会社

どのような仕組みかというと、指をしゃぶると前歯が押されてしまい、まっすぐ生えなくなってしまいます。すると前歯が出てしまったり(出っ歯)、2本の前歯の間に大きな隙間ができ(開咬)、歯並びが悪くなってしまいます。また、吸うときの頬の力によって上顎が狭くなり奥歯の噛み合わせがずれてしまいます。

次に口呼吸の場合ですが、口呼吸をしていると常に唇が開いていて、本人が口を閉じたつもりでも、無意識のうちに舌で上の歯と下の歯の間をふさいでしまいます。すると舌が上の歯を圧迫して前歯が出るようになり、出っ歯になりますくなります。

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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学 著:増田純一、下川公一、河原英雄他著/クインテッセンス出版株式会社

また、口呼吸をすると空気の通り道を確保するため、舌の位置が下がってしまいます。すると上顎を広げることが出来なくなり、出っ歯や凸凹の歯並びになってしまいます。

もし、子供が口呼吸をしていたら鼻が詰まっていないか確認しましょう。口呼吸の多くは鼻づまりによるものです。鼻の通りをよくして鼻呼吸をするように習慣づけましょう。鼻呼吸をすることによって鼻の空洞は広がり、上顎もよく成長し歯並びがきれいになります。

また、口呼吸はウイルスが直接口に入ってくるため、風邪などを引きやすくなります。風邪などの予防のためにも鼻呼吸ができるようにしましょう。

まとめ

赤ちゃんの歯並びを良くするには、すきっぱではなく、指しゃぶりと口呼吸に注意しましょう。また、遺伝が気になるようであれば早めに歯医者へ相談しましょう。