永久歯への生え変わりの時期ではないのに子供の乳歯がグラグラしていませんか?
同時に歯茎が腫れたり、歯が変色したりしてはいませんか?
実は乳歯のグラグラは永久歯への生え変わりだけではなく、虫歯が原因のこともあります。
意外と知らない乳歯のグラグラの危険サインをご紹介します。
乳歯がグラグラ!歯茎も腫れてるのはなぜ?
■永久歯が歯茎の中で待機している
乳歯から永久歯へ生え変わる時期は、乳歯がグラグラとして抜けようとしている一方、歯茎の中で永久歯が待機しています。
この状態を歯茎が腫れていると心配してしまう方もいますが、永久歯が歯茎の中で待機しているだけなので安心してください。
永久歯が生えてきたら歯茎の腫れは治まります。
■虫歯の根っこの先に膿が溜まっている(感染根管(かんせんこんかん))
乳歯から永久歯への生え変わりの時期でないときに、歯がグラグラして歯茎が腫れている場合は感染根管(かんせんこんかん)であると考えられます。
感染根管とは虫歯の放置などにより、根っこの先に膿がたまってしまっている状態です。
この膿が原因で、歯の根っこの周辺まで炎症が起きてしまうと歯がグラグラすることがあります。
そして膿が溜まっていくと、歯茎にニキビのようなものができ、腫れてしまうことがあります。
出典:かまくら歯科
このようなできものをフィステルといいます。これを治していくには虫歯を治し、溜まってしまった膿を取り除いていかなければなりません。
もし、生え変わりの時期ではない時にグラグラしてしまったら、歯医者に行って診てもらいましょう。
グラグラした乳歯が変色したら危険サイン?
■永久歯への生え変わりの準備ができている
抜けそうな歯は永久歯へ生え変わるための準備ができると、歯の根っこが溶けることにより、歯が薄く透けて見えたりすることがあります。
歯茎が透けて薄ピンクに見えたり、影が透けてグレーに見えたりします。
■虫歯やぶつけたことにより歯の神経が死んでいる
虫歯を放置したり、転んで歯をぶつけたりすると、その衝撃で神経が死んでしまったり、歯の根が折れてしまうことがあります。
このようになってしまうと歯がグラグラになったり、周りの歯肉から出血することもみられます。
もし、転んで歯をぶつけた際に歯がグラグラしたり、変色・出血していたらすぐに歯医者へ行きましょう。
歯医者ではレントゲンを撮って歯の根が折れているかいないか、周りの骨に異常はないかなどを確認することができ、治療を行ってもらえます。
乳歯が生え変わる時期なのにグラグラしない!なぜ?
■要注意乳歯
検診などで要注意乳歯と診断されている場合は、グラグラしていなくても早めに歯医者で抜歯が必要です。
要注意乳歯とは乳歯の横から永久歯が生えてきている場合など、永久歯の歯並びに影響を与えそうな乳歯のことです。
出典:子どもの健全な発育のための歯列咬合マニュアル
下から永久歯が生えて来ているのに抜かないでいると、これから生えようとしている永久歯が乳歯とぶつかり、歯並びが悪くなる可能性があります。
しかし、グラグラしないからと言って、自分で強い力で無理矢理に抜こうとすると、乳歯の根が折れて残ってしまったりすることもあります。
要注意乳歯と診断されたり、乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきそうだったら、歯医者でレントゲン検査をして判断してもらいましょう。
■先天性欠如(せんてんせいけつじょ)
乳歯の下に、永久歯がもともと作られていない状態(先天性欠如)だと乳歯がグラグラしないことがあります。
先天性欠如(せんてんせんけつじょ)という病気は乳歯でも永久歯でも起こることがあります。
乳歯は通常通り20本生えてきていたとしても永久歯は足りていないということもあります。
永久歯が先天性欠如になっているかどうかは、歯医者でレントゲンを撮って調べることができます。
もし、永久歯が先天性欠如だった場合は、乳歯をできるだけ残しておくことが多くなります。
しかし、乳歯は永久歯に比べて虫歯になりやすく、歯根も短いので、虫歯や歯周病にならないように定期的に歯科医院でチェックをしてもらいましょう。
本来乳歯は永久歯と生え変わる歯なので、いずれは抜ける可能性があります。
もし乳歯が抜けたら、矯正治療や人工の歯を入れて、足りない歯を補います。
■癒合歯(ゆごうし)
もし乳歯が癒合歯であった場合は、45%の確率でその後生えてくる永久歯が存在しない可能性があります。
癒合歯とは隣接する歯と歯がくっついて、1本の歯のようになってしまったものです。
通常、乳歯1本につき1本の永久歯の根っこが存在しますが、癒合歯は隣同士がくっついているため2本で1本の根っこの状態になっています。
そのため、45%の確率で永久歯は2本分できずに1本分のみになってしまうことがあります。
永久歯がきちんと2本生えてくるかどうかは、歯医者でレントゲンを撮ることで確認できます。
早めに永久歯が生えてくるかどうかを確認しておくと、歯の数により起こりうる噛み合せや歯並びのリスクを踏まえて経過を観察することができます。
また、必要あれば矯正治療なども視野に入れていくことができます。
まとめ
乳歯のグラグラは乳歯が虫歯になっていたり、永久歯への生え変わるために死んでしまっている証拠です。
腫れたり変色があったら様子を見てみましょう。
また永久歯へ生え変わる時期なのに乳歯がグラグラしない場合は歯医者へ行き、レントゲンを撮ってもらいましょう。