乳歯は、いずれ抜けてしまうからといって虫歯予防をおこたると、永久歯にまで影響を及ぼす恐れがあります。
虫歯にならないためには、ママが乳歯のケアをしてあげることが大切です。
初期のむし歯や歯周炎・歯肉炎は、仕上げ用歯ブラシを使用するときに、歯茎や歯の状態をチェックすることで早期発見が可能です。
赤ちゃんの大事な歯を守るためにも、虫歯予防の基礎を把握しておきましょう。
赤ちゃんの歯磨き開始はいつ?
最初の歯磨きは、下の前歯が生えてきたタイミングで行いましょう。
嫌がっているのに、無理に歯ブラシを口の中に入れると、歯磨きが嫌いになる恐れがあるので注意が必要です。
歯磨きの準備期間のポイント
口の中に異物を入れられることで、不快感をあらわにする赤ちゃんは少なくありません。
乳歯が生える前から歯ブラシをくわえさせたり、口の中をガーゼでぬぐったりして、口の中を触られることに慣れさせることをおすすめします。
いつでも歯磨きを開始できるように、子供用の歯ブラシを購入しておきましょう。
また、歯磨き粉は大人用のものは使えないので注意が必要です。
歯ブラシ・歯磨き粉を使用するタイミング
赤ちゃんが歯ブラシに慣れないうちは、ガーゼや綿棒で直接磨くか、指にガーゼを巻いてやさしく汚れをふき取る(ガーゼ磨き)だけにしておきましょう。
口に物を入れるのに慣れてきたら、子供用の歯ブラシで歯に触れる練習をします。
子供の口の中は刺激に弱いので、できるだけゆっくり軽く磨きましょう。
まだ、ゆすぐことのできない子供さんは、できれば歯磨き粉の使用を避けた方がいいでしょう。
口をゆすげるようになったら、ごくわずかな歯磨き粉をつけて、力を入れずにやさしく磨くよう指導してあげてください。
赤ちゃんの歯磨き粉の選び方
赤ちゃんの歯みがき粉は、次の成分が含まれていないものを選びましょう。
成分 | 及ぼす影響・懸念点 |
ラウリル硫酸ナトリウム | 発泡剤として使用される成分で、身体に悪影響を及ぼすといわれています。 舌の細胞を麻痺させることで味覚を鈍くする恐れもあります。 |
パラベン | 防腐剤として使われる成分で、皮膚炎やアレルギーの原因になるといわれています。 また、発がん性も指摘されています。 |
タール系色素 | 合成着色料の一種で、子供の注意欠陥・多動性障害との関連が指摘されています。 また、発がん性や染色体異常のリスク要因などの指摘もあるので注意が必要です。 |
サッカリン | 人工甘味料の一種で、発がん性があるといわれています。 子どもの歯磨き粉に使用されることが多いので注意しましょう。 |
その他、研磨剤や殺菌剤等の化学物質が使われていますので注意してください。
赤ちゃんの歯ブラシの選び方
間違った歯ブラシ選びは、磨き残しに繋がります。
まずは、歯ブラシに慣れさせる必要があるので、口に入れやすく、なおかつ丈夫なシリコン製の乳児用歯ブラシがおすすめです。
また、仕上げ磨き用のおすすめ歯ブラシは、毛先が滑らかかつ、フラットなカットになっているものです。
また、一番大事なことは、できるだけ毛先のやわらかい歯ブラシを使うこと。
子供の歯肉は柔らかく傷つきやすいため、硬い毛先ですと痛いといって嫌がります。
できるだけヘッドが小さく、毛束が密集しているものが、おすすめです。
また、実際に磨くのはママですから、自分が握りやすいと感じるものを選んでください。
成長に合わせて、乳児用歯ブラシから幼児用歯ブラシや小児用歯ブラシに切り替えて、適切な歯ブラシでケアをしてください。
【赤ちゃん用】歯磨きの仕方
間違った方法で歯磨きをすることで、赤ちゃんが歯磨きを嫌がってしまう可能性があります。
正しい歯磨きの方法と注意点を確認しておきましょう。
注意したいポイント
赤ちゃんの歯は大人の歯よりも柔らかいので、歯ブラシでゴシゴシと擦ってしまうと、表面が削れてしまいます。
力をほとんど込めなくても汚れは落ちるので、優しく丁寧に磨いてあげましょう。
注意点として、上の前歯付近にある歯茎と唇をつなぐ筋(すじ)に歯ブラシが当たると痛いので、人差し指で守りながら磨いてください。
また、歯磨きの時間を楽しいと感じてもらうために、話したり歌ったりしながら行うことが大切です。
歯磨きができたときには、しっかりと褒めてあげましょう。
そうすることで、歯磨きの時間が楽しくなり、習慣づきやすくなります。
歯の磨き方
歯の部位に合わせて、適切な方法で磨くことが大切です。
上下の歯で磨き方が異なりますので、ポイントを押さえておきましょう。
- 下の奥歯
⇒ 歯ブラシを持っていない方の指を下あごに当てて固定します。 - 上の奥歯と前歯
⇒ 歯ブラシを持っている方の手の脇を頬に当てて固定します。 - 下の前歯
⇒ 歯ブラシを持っている方の手の薬指と小指をあごに当てて固定します。
奥歯が生えてきたら、寝かせ磨きをしましょう。
正座をして、膝の上に子供の頭を乗せて磨きます。
口の中をしっかりと確認しながら磨けるうえに、両手を使えるので磨き残しを防ぐことができます。
乳歯が虫歯になりやすいのは
- 上の前歯
- 奥歯
- 歯と歯茎の境目
- 歯と歯の間
です。
これらを重点的に磨いてあげてください。
歯磨きのタイミング
歯磨きは、食後10分以内に行いましょう。
食後は、口内細菌が食事に含まれる糖を栄養源にして、口内を酸性の環境にしてしまいます。
酸性の環境では、歯の表面を覆うエナメル質が溶けて、歯が傷つきやすくなるのです。
食後は歯磨きをして、細菌の栄養となる糖をしっかり取り除く必要があります。
歯は、磨きすぎると傷ついてしまうので、おやつを食べた後はうがいだけでも構いません。
うがいができないうちは、お茶や水などを飲ませて、口内環境がアルカリ性に戻りやすくなるようにしましょう。
離乳食が始まる前の赤ちゃんの場合は、授乳後やミルクを飲ませた後に濡れたガーゼで口の中をぬぐってあげるだけで構いません。
歯磨きを嫌がられないようにするポイント
普段から、顔や口に触れるような遊びをしてあげることで、歯磨きを嫌がりにくくなります。
また、家族と一緒であれば、積極的に歯磨きをしてくれる場合もあります。
いずれにしても、仕上げ磨きに関しては、できるだけ早く済ませることがポイントです。
歯ブラシを噛んでしまう場合
赤ちゃんが歯ブラシを噛むことを無理にやめさせる必要はありません。
歯ブラシを噛むからと言って取り上げてしまうと、歯磨きが嫌いになる可能性があります。
いずれ歯ブラシを噛まなくなるので、見守ってあげましょう。
噛むことで毛束が広がってしまった場合は、新しい歯ブラシと交換するようにしてください。
赤ちゃんの虫歯予防
生まれたての赤ちゃんの口の中には、虫歯菌を含めどのような菌も存在しません。
なぜ、虫歯になるのかというと、生後10~36ヶ月の間に家族から虫歯菌がうつるからです。
個人差はありますが、生後10~36ヶ月は、乳歯が生え始めて生え揃うまでの時期です。
この時期に、虫歯菌が口内にいない状況であることが、虫歯予防の第一歩となります。
虫歯菌に感染したとしても、甘い物を控える、毎食歯磨きをするといった予防法を実践することで、虫歯を防ぐことができます。
これは、唾液が歯を溶かす乳酸を薄めてくれるためです。
そして歯垢がつかないよう歯磨きをすることで、虫歯菌を増殖を抑えて虫歯を防ぐことができます。
虫歯のなりやすさは「2歳半」までに決まる
虫歯のなりやすさは、2歳半までに決まるといわれています。
これは、早い時期に虫歯菌に感染すると、口内細菌の中でも虫歯菌が占める割合が多くなるためです。
対処法として、虫歯菌を赤ちゃんに移さないようにすることがあげられます。
虫歯がある場合は、歯科医院で治療を受けるようにしましょう。
また、妊娠中は虫歯が進行しやすいので、歯科検診を受けて早期発見に努めてください。
小児歯科でフッ素塗布を受けるのもおすすめです。
歯が生え揃ったら、子供にも歯科検診を受けさせましょう。
赤ちゃんが虫歯にならないように親がしっかり管理しましょう!
赤ちゃんは自分で口の中を管理できないので、親がしっかりと管理する必要があります。
適切な歯ブラシや歯磨き粉を使って、正しいケアを行うことが大切です。
虫歯を発見した場合は、できるだけ早く治療を受けさせるようにしましょう。
早い段階で虫歯菌が移ると虫歯になりやすくなるので、親も虫歯があれば治療することをおすすめします。
乳歯が生え揃ってからは、歯科検診を受けるなどして、子供さんの大事な歯を守ってあげてください。
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- 虫歯予防はガーゼや綿棒で口の中を拭うことからはじめる
- 子供の成長に合わせて適切な歯ブラシを選ぶ
- 虫歯菌を赤ちゃんに移さないように口移しや食器の共有を避ける
- 子供の歯が生え揃ったら歯科検診を受けるべき
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