赤ちゃんは、ブクブクうがいができないため、歯磨き粉(歯磨剤)を飲み込んでしまいます。
生後すぐは、あらゆるものに対する抵抗力が低いため、口に入れるものは慎重に選ばなければなりません。
歯磨きは習慣的に行うものですから、できるだけ身体への害がない歯みがき粉を選ぶことが大切です。
ここでは、赤ちゃんが歯磨きをはじめるべき時期や、使用する歯磨き粉の選び方、おすすめの商品をご紹介します。
赤ちゃんの歯磨きはいつから始めるのが正解?
赤ちゃんの歯磨き開始時期の目安は、生後6ヶ月~1歳程度とされています。
その理由は、この時期になると下の前歯が2本生え揃うためです。
ただし、成長には個人差があるので、必ずしも1歳までに2本生え揃うとは限りません。
歯が生えたら、虫歯予防のために歯磨きデビューしましょう。
赤ちゃんが歯磨き粉を誤飲したら
赤ちゃんが歯磨き粉を飲んだ場合は、その量や種類を確認することが大切です。
フッ素を含まない歯磨き粉であれば、中毒になる心配はほとんどないとされています。
水か牛乳を飲ませて、様子を見ましょう。
もしも異変が起きた場合は、すぐにクリニックを受診してください。
フッ素入りの歯磨き粉を飲んでしまった場合も、水か牛乳を飲ませて様子を見ましょう。
ただし、体重10kgに対して5g以上も飲んでしまった場合には、水か牛乳を飲ませたうえで吐かせ、すぐにクリニックを受診してください。
対処方法としては、最初から歯ブラシに乗せる歯磨き粉を5g以下にしておくことで、このようなトラブルを避けることができます。
歯磨き粉には様々な化学物質が含まれているため、何らかの問題が起こる可能性もあります。
歯科用に比べ、市販品はフッ素濃度が記載されていないものがほとんどです。
心配な方は、化学物質不使用か濃度が低いことを確認してから購入するようにしてください。
なお、大人用の歯磨き粉は子供が使うことを想定していないため、それだけ多くの化学物質が含まれている可能性があります。
子供には、子供用の歯磨き粉を使用しましょう。
赤ちゃんの歯磨き粉の選び方
赤ちゃんに使用する歯磨き粉は、どのようなものを選べばよいのでしょうか。
この項では、避けた方がよい成分、入っていた方がよい成分について解説します。
研磨剤が多いものは危険
研磨剤は、歯の表面についた汚れを削り落とすことを目的として配合されています。
歯の汚れを落とすことが歯磨きの目的であるため、「問題ないのでは?」と感じる方もいることでしょう。
実は、研磨剤は歯の汚れだけではなく、歯の表面にあるエナメル質まで剥がしてしまう作用があります。
エナメル質は、いわゆる歯を守っているもので、剥がれると象牙質という組織が露出します。
象牙質が刺激を受けると、しみたり痛んだりすることもあります。
研磨剤は、大量に飲み込むことで身体に何らかの害が及ぶ可能性があるため、なるべく容量が少ないものを選びましょう。
研磨剤には、次のような成分があります。
- リン酸水素カルシウム
- リン酸水素ナトリウム
- 水酸化アルミニウム
- 炭酸カルシウム
- 無水ケイ酸
成分表示は、含有量が多い成分から順に表記されています。
最初の方に上記の成分、もしくは、合成界面活性剤の成分名があるものは避けた方がよいでしょう。
合成界面活性剤も避ける
合成界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウムなどがあります。
泡立ちをよくするために配合するものであり、歯磨きをしているとしっかりと泡立つのがわかります。
しかし、ボディソープやシャンプーなどとは違い、歯磨きにおいて泡立ちは関係ないとされています。
むしろ、磨けているように感じてしまうことで、正しいケアができず、磨き残しによって、虫歯や歯周病のリスクを高める可能性があります。
また、ラウリル硫酸ナトリウムは毒性が強く、発がん性も指摘されています。
飲み込まなければ問題ないと思うかもしれませんが、実はラウリル硫酸ナトリウムは口内粘膜から吸収されて、速やかに心臓へと行き渡るといわれています。
そのため、口に入れるだけでも危険と考えられているのです。
日本では、6歳以下が使用する製品に合成界面活性剤の使用を禁止しているので、赤ちゃん用の歯磨き粉に含まれていることはありません。
しかし、海外からの輸入品や、製造元がはっきりとしていない歯磨き粉には含まれている可能性もあるため、十分に注意が必要です。
BLISM18が配合されているもの
赤ちゃんの歯の健康を考えた場合、BLISM18が配合されている子供用歯磨き粉をおすすめします。
BLISM18は、虫歯になりづらい子供の口内から発見された善玉菌で、虫歯菌のエサとなる歯垢や汚れを取り除く働きがあるのです。
また、歯ブラシが届きにくい歯と歯の間や、奥歯のさらに奥にまでしっかりと届くといわれています。
このように、BLISM18だけで歯磨きの目的を達成できるため、界面活性剤や発泡剤・殺菌剤などを配合する必要がないのです。
うがいなしの歯磨き粉がおすすめ
うがいができるようになるのは、早くても2歳くらいといわれています。
それまでは、すすぐ必要がない歯磨き粉を使用するのがおすすめです。
泡状にならない液体、もしくはジェル状の歯磨き粉があります。
赤ちゃんが歯磨きを嫌がらないように、フルーツの風味がついているものを選びましょう。
歯磨きの後はそのままで問題ありませんが、気になる場合は濡れたガーゼなどで口の中を軽くぬぐってあげましょう。
歯磨き粉のフッ素は安全?危険?
フッ素は、歯が作られる現象である「石灰化」に欠かせない物質で、歯垢を生み出す酸を抑えたり、歯にカルシウムの再沈着を促したりする働きがあります。
歯質を高めて虫歯に強い歯を作ることができるため、むし歯予防を目的として、歯科検診でもフッ素塗布を行う場合が大半です。
少量のフッ素配合歯磨き粉を誤飲したとしても、身体に害が及ぶ心配はほとんどありません。
しかし、大量に摂取すると身体に害が及ぶ恐れがあるので、赤ちゃんにはフッ素が含まれていない歯磨き粉を使用しましょう。
うがいなしでもできる歯磨き粉3選
赤ちゃんは、うがいなしで使える歯磨き粉がよいとお伝えしましたが、具体的にはどんな商品があるのでしょうか。
ここでは、子ども用歯磨き粉のおすすめランキングTOP3をご紹介します。
ウィステリア製薬|ブリアン
出典:http://kodomohamigaki.com/
ブリアンは、虫歯予防に効果のある善玉菌「BLISM18」が含まれた歯磨き粉です。
パウダー状になっているため、年齢を問わず使いやすい商品です。
赤ちゃんに使用する場合は、指にガーゼを巻き、ブリアンをつけて口の中を磨いてあげてもよいでしょう。
また、ブリアンには、界面活性剤や殺菌剤・発泡剤・研磨剤、その他パラベンや保存料・合成界面活性剤などが一切含まれていません。
味もいちご味なので、こどもにとって楽しい歯磨き習慣を作ってあげることもできます。
ロゴナ|キッズ・ストロベリー・ はみがきジェル
出典:http://www.logona.jp/produkte/zahnpflege/logodentkids/
オーガニックのペパーミントを配合している歯磨き粉です。
石油系の原料や防腐剤・香料・化学合成された色素・フッ化物などが一切含まれていないため、人気商品となっています。
ただし、成分に
- シリカ
- 炭酸水素Na
- キサンタンガム
- アルギン酸Na
- フィチン酸
- 変性アルコール(小麦由来)
- 銅クロロフィリンNa
などを使用しています。
商品の品質を厳しく審査するBDIHの認定を受けていますが、気になってしまう方は他の歯磨き粉を検討してみてください。
アラウ|ベビーはみがきジェル
出典:http://www.arau.jp/baby/products/hamigaki.html
着色料や保存料・合成香料・発泡剤・研磨剤などが一切使われていない、乳歯ケアジェル状歯磨きジェルです。
虫歯予防に役立つキシリトールが含まれています。
※キシリトールは下痢しやすいので量に注意しましょう!
合成界面活性剤が使用されていないので、赤ちゃんにも安心して使うことができます。
ラウリン酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸ポリグリセリル-10などを使用していますが、天然オイル100%のみかん味なので、赤ちゃんに嫌がられる心配も少ないでしょう。
歯磨きを嫌がる赤ちゃんへの対処法
赤ちゃんが歯磨きを嫌がるのであれば、それは歯磨き方法に問題があるのかもしれません。
歯磨きをしてあげる大人が、正しい歯磨き法を身に付ける必要があります。
歯磨きのポイントをお伝えしますので、正しい歯磨き方法を確認してみてください。
- 下の奥歯
歯ブラシを持っていない手の指を下あごに固定する。
- 上の奥歯と前歯
歯ブラシを握っている手の脇を頬に沿わせて固定する。
- 下の前歯
歯ブラシを握っている方の薬指と小指を顎に沿わせて固定する。
歯磨きをする際の注意点
注意点は次のとおりです。
- 赤ちゃんの歯を傷つけないように優しく磨きましょう。
力を込めなくても汚れを落とせるので心配はいりません。仕上げ磨き用の歯ブラシは、毛先の滑らかなものを使用してください。 - 楽しい雰囲気づくりを心がけましょう。
歯磨きの時間が楽しいと思えるように、おしゃべりをしたり歌を歌ったりしながら歯磨きをしましょう。 - 歯磨きを嫌がることを責めずに、磨けたときは褒めてあげましょう。
赤ちゃんの歯を守るため適切な歯磨き粉を使用しましょう。
赤ちゃんは、大人と比べて抵抗力が低いため、歯磨き粉のような身体の中に入るものは、含有成分に十分注意が必要です。
合成界面活性剤や発泡剤などが使用されていない歯磨き粉を選ぶようにしてください。
また、赤ちゃんが歯磨きタイムを好きになるように、フルーツの味がついたものを選ぶことをおすすめします。
赤ちゃんの歯を守るために、適切な歯磨き粉を使用しましょう。
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- フッ素を大量に誤飲した場合は、吐かせたうえで受診が必要
- 赤ちゃんには合成界面活性剤や発泡剤などが含まれていない歯磨き粉を選ぶ
- 歯磨きの時間が好きになるように楽しい雰囲気作りができるよう工夫する
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