赤ちゃんの奥歯の生え始めとなる、1歳半~2歳半の時期はトラブルがたくさんあります。
急にご機嫌が悪くなったり、歯茎が腫れたり、血が出たり…。なにかとお母さんも苦労することが多い時期です。
赤ちゃんの奥歯が生える時期のトラブルと対処法をまとめました。
赤ちゃんの機嫌が悪いのは奥歯の成長の表れ
1歳半、2歳半の時期に急に赤ちゃんの機嫌が悪くなったり、今まで食べていた食べ物を食べなくなったりしていませんか?
それは赤ちゃんがわがままになったり、好き嫌いしているのではありません。
実は奥歯が生えてくる痛みや痒さに赤ちゃんが耐えきれず、歯ぐずりが起きているのです。
通常、歯ぐずりとは生後5,6か月頃~生後9か月頃(1番初めの乳歯が生えてくる頃から2番目の乳歯が生えてくる頃まで)に多く起こる現象です。
しかし、歯ぐずりは奥歯が生える時期(第一臼歯:1歳半頃、第二臼歯:2歳半頃)にも起こります。
奥歯は前歯よりも生えてくるときに感じる痛みが強く、特に第二臼歯の時には痛みが一番強いため、今まで歯ぐずりを起こしたことがない赤ちゃんでも、歯ぐずりを起こすことがあります。
赤ちゃんの奥歯が生えてくるときの痛みと言われると、どの程度かピンと来ませんよね。
そんなときはご自分が親知らずが生えてきた時に感じた痛みや、周りの体験談を思い出してみてください。すごく痛む人もいれば、痛んだことがない人もいます。
これと一緒で赤ちゃんによって痛みや違和感の感じ方が違ってくるので、歯ぐずりも起きる場合と起きない場合もあります。
歯ぐずりには主に3つの症状が挙げられています。
■食欲不振
今まで食べていたものを急に食べなくなってしまいます。
特に噛みごたえのある少し固めの食べ物は食べると痛みを感じるため、食べなくなってしまうことがあります。
もし食欲不振を感じたら、やわらかい食べ物に変えてあげましょう。
■口の中に指をつっこみ、奥歯のあたりを触る
痛い部分はどこなのか、どんな状況なのかを探すようになります。
奥歯のあたりをしきりに触るようだったら赤ちゃん自身が奥歯の変化に気づいているのかもしれません。
怒らないようにしてあげましょう。
■機嫌が悪くなる・夜泣き
奥歯が生える痛みで寝れずに夜泣きしてしまいます。
赤ちゃんが機嫌が悪くなるとお母さんはイライラしてしまいがちですが、小さい体で痛みと戦っていると捉えて受け止めてあげましょう。
奥歯が生える時期にこのような様子が伺えたら、赤ちゃんがわがままに育ってしまったのではなく、赤ちゃんが健やかに成長している証拠だと思ってください。
きっと立派な奥歯が生えてきますよ。
赤ちゃんの歯茎の腫れは奥歯が生え始めるサイン
赤ちゃんの奥歯は生え始めるときに歯茎が腫れることがあります。
奥歯が歯茎をなかなか突き破れず、そのまま奥歯の上から歯茎が盛り上がってしまっている状態です。
出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.
もし腫れている状態で痛みを伴うようであれば、歯茎を冷やしてあげるといいでしょう。
冷蔵庫で冷やした歯固めを持たせたり、冷やしたガーゼで歯磨きをしてあげると痛みや腫れが治まり、赤ちゃんの機嫌も良くなります。
また、奥歯のあたりに歯茎とはまた違った感触のドーム状の膨らみが現れることがあります。
萌出性嚢胞(ほうしゅつせいもうほう)というもので、歯が生えるときに破れるはずの袋が破れずにそのまま出てきてしまった状態です。
噛む刺激により、歯茎の毛細血管が破れて、血液が混ざり黒ずむこともあります。
痛みはありませんが、袋が大きくなると違和感が増し、食欲不振になったり、前歯で食べるようになってしまいます。
萌出性嚢胞は歯が生えると自然と破けて消失します。
歯並びなどには特に影響は与えないものなので、少し様子を見ているといいでしょう。
しかし、萌出性嚢胞の状態が続いたまま、奥歯がなかなか生えてこないという場合は歯医者で相談しましょう。
赤ちゃんの奥歯から出血した時の対処法
赤ちゃんの歯は歯茎を突き破って生えてくるため、出血を伴うことがあります。もし血が出たとしても慌てずにきちんと対処をしましょう。
まず、血が出たらガーゼを噛ませましょう。
数分間噛ませていればすぐに止血できます。
水でゆすぐと血が止まりづらくなるので、ゆすがないようにしましょう。
また、血液は固まりやすいので飲み込んでしまうと危険です。
万が一、気管に入ってしまうと呼吸困難を引き起こしてしまうので、飲み込まず、ガーゼで吸い取りましょう。
まれに止まったと思った血が奥の方でゼリー状のかたまりになっていることがあります。
血のかたまりを見つけたら吐き出して軽くゆすぎましょう。
その後再度血が出てしまうようであれば、またガーゼを噛ませてください。
まとめ
赤ちゃんは痛みや痒さと戦いながら奥歯を生やします。
機嫌が悪いからとイライラしないようにしましょう。
歯茎が腫れている・血が出た時もあせらずに対処してあげることで赤ちゃんも安心します。
奥歯がきちんと生えるまでの辛抱です。赤ちゃんと一緒に戦ってあげましょう。