虫歯になる人、ならない人の違いとは? 予防のためにできること

体の丈夫さに人それぞれ違いがあるように、歯の質も個人個人で違います。親からの遺伝も関係ありますが、大部分は生まれてからのお手入れの仕方や、食事のとり方によって「虫歯になりやすいか、そうでないか」が決まるのです。ですから、親である自分の歯の質が弱いからといって、あきらめる必要はありません。大切な我が子が将来虫歯や歯周病で苦しまなくてもすむよう、できるだけの工夫をしてあげましょう。そのための方法をご紹介します。

歯を磨かなくても虫歯にならない人の生育環境

厚生労働省が2011年に行った調査によると「永久歯が虫歯になったことのない人の割合」は10代後半からがくんと減り、半数以上の人がなんらかの処置を受けているということでした。調査対象になった人のうち、2割程度は永久歯に全く虫歯がないということなのですが、なぜこのように差がついてしまうのでしょうか?

歯の質や唾液の量は生まれつき決まっていますが、ミュータンス菌を持たずに生まれてくるという点ではみんな平等です。虫歯はこのミュータンス菌が酸を作り出すことによって歯が溶ける病気なので、いかに菌の数を少なく保つかが「虫歯にならない人」を作るのには重要なのですね。

ろくに歯も磨かないのに虫歯ができない人は、親も同じようにミュータンス菌の数が少なかったり、口移しでものを与えられたりする習慣がなかったりします。また、ミュータンス菌のエサとなる砂糖を取りすぎない、食後は必ずお茶を飲むなど、自然に虫歯を遠ざける生活習慣が身に付いている場合も少なくありません。

年をとっても自分の歯で噛める人になるために

子供を「虫歯にならない人」にするには、親からミュータンス菌を移さないようにすること、砂糖を取りすぎないことが大切ですが、これらの習慣が身に付いたからといって安心してしまうと、子供は結局自分の歯を失うことになりかねません。

それというのも、虫歯になりにくい歯質であるということに安心してしまい、口の中をキレイに保とうという意識が薄くなりがちだからです。抵抗力があり、唾液の量も多い若いうちならまだ良いのですが、年齢を重ねればどうしても抵抗力は落ちてきます。それなのに「今まで大丈夫だったから」と歯磨きをさぼってしまうと、歯周病にかかりやすくなるのですね。歯医者さんに行く機会も少ないので、異常があっても早期発見ができません。

皮肉なことに、若い頃から虫歯で苦しんできた人より、歯磨きをしなくても虫歯にならなかった人のほうが歯周病で歯を失う確率が高いのです。そうならないためには、やはり毎日の地道なお手入れが大切。子供に丈夫な歯をプレゼントするだけでなく、きちんと歯磨きすることの重要性も伝えていきましょう。

おわりに

虫歯になりやすい人と、そうじゃない人の違いについて説明しましたが、いかがでしたか? 虫歯はミュータンス菌によって作られるので、まず菌の感染を防ぐことが大切。大人と同じ食器で食べさせたり、口移しをしたりするのは避け、子供専用の食器を用意してあげましょう。また、生涯に渡って丈夫な歯を維持するためには、歯磨きの重要性をきちんと教えてあげることも大切です。