虫歯にならない歯の磨き方とは? 知っておきたい歯磨きの意外な常識

私たちは子供の頃から数えきれないぐらい歯を磨いてきましたが、本当に正しい磨き方については意外と知らないものです。「きちんと磨いているのになぜか虫歯になる」のは、単に口の中のミュータンス菌が多いというだけでなく、お手入れの仕方が間違っているからかもしれませんね。子供に正しい磨き方を教えるためにも、どのような方法でケアすれば良いのかを知っておきましょう。

正しい歯の磨き方

よく虫歯ができる人は、歯を磨くのが1日1回というケースがとても多いです。「寝る前にキレイにしておけばそれで十分」と思い込んでいたり、何度も磨くのが面倒だったりと理由は様々ですが、残念ながら寝る前だけの歯磨きで虫歯を防ぐことはできません。少なくとも朝晩の1日2回、できれば毎食後にきちんと磨くようにしましょう。

とはいえ、矛盾するようですが磨きすぎも良くありません。食事をしたばかりの口の中は酸性で歯の表面が溶けやすくなっているので、食後30分~1時間ぐらいたってから磨くのが良いのです。また、力を入れてゴシゴシこすると歯や歯茎を傷つけてしまうので、ハブラシの毛先が少しだけしなる程度に力の加減をしてください。

歯磨きをする時に気を付けたいのが、虫歯になりやすいポイントを重点的に磨くということ。唾液の影響を受けにくい上の前歯や、歯と歯茎の境目、かみ合わせ部分に食べカスがたまりやすい奥歯は、特にしっかり磨いてあげてください。仕上げはフロスや歯間ブラシで。どんなにしっかり磨いても歯と歯の間の汚れを100%取り除くことは無理なので、夜寝る前だけでも使うようにしましょう。

こんな歯の磨き方はNG!

<朝は何も食べていないから磨かなくても良い>
確かに、朝起きたばかりの口の中に食べカスはありませんが、就寝中に唾液の分泌量が減ることでミュータンス菌の数は増えています。面倒な場合はうがいをするだけでも良いので、まず口の中の細菌を洗い流してから朝食をとるようにしましょう。食後は歯の表面を傷つけない程度に軽く磨き、フロスで歯間の汚れを取ってから出かけてください。

<歯磨き粉をたっぷりとつける>
歯磨き粉をたっぷり使って磨くのは気持ちが良いものですが、たくさん泡が立つことから短時間でも「しっかり磨けた」と錯覚してしまい、結局磨き残しができてしまうので注意が必要です。1度に使う歯磨き粉の量は5㎜程度で十分ですよ。

<サイズの合わないハブラシや古いハブラシを使う>
細かい部分まできちんと磨くには、できるだけ小回りのきくハブラシを使うことが大切です。毛の幅が前歯2本分ぐらいのものを用意し、隅々まで丁寧に磨くようにしましょう。また、毛先が開いてしまったものは歯垢を落とす力が弱くなっているので、こまめに取り替えてください。毛先の状態に問題がなくても、ハブラシにはだんだん細菌が溜まっていくので、1ヶ月に1度は新しいものに取り換えましょう。

おわりに

正しい歯の磨き方について、いかがでしたか? 基本的なことさえきちんと守れていれば、虫歯が発生するリスクはぐんと少なくなります。お子様にも、繰り返し教えてあげてくださいね。また、近頃では磨くだけでミュータンス菌の数を減らしてくれる「ブリアン」のような歯磨き粉も出てきているので、こうしたものを上手に取り入れるのもおすすめです。