子供の歯ぎしりがひどいのはなぜ?考えられる主な原因とやめさせる方法3つ

子供が「ギリギリ」と歯ぎしりをしていると「歯がすり減ってしまわないかしら?」と、親は心配になりますよね。
しかし、歯ぎしりをする子供は意外と多く、ほとんどの場合一過性なのであまり心配はいりません。
ただ、中にはちょっと注意が必要なケースも……。
子供の歯ぎしりの主な原因を知り、もしやめさせる必要があれば適切な対処をしていきましょう。

子供が歯ぎしりをする原因

<噛み合わせを調整している>
小学校に通う年齢の子供が歯ぎしりをするのには、乳歯から永久歯へ生え変わる時期という事情が関係していることが多いです。
噛み合わせがうまくいかないので、無意識に乳歯をすり減らして調整しようとしたり、変化していく口の中に不快感を覚え、食いしばることでそれを紛らわせたりするのですね。
いずれにしろ、永久歯が生え揃えば自然と落ち着くことが多いので、あまり焦らず様子を見ても良いでしょう。
ただし、歯ぎしりがひどくてうるさい場合や、永久歯に生え変わっても治まらない場合は、顎に負担がかかったり、歯周疾患の原因になったりすることもあるので、歯医者さんで相談することをおすすめします。

<ストレスが原因!>
子供が昼間起きている時にも歯ぎしりをしているのであれば「原因1」で説明した噛み合わせの調整をしている可能性が高いですが、寝ている時だけというのならちょっと注意が必要です。
なぜなら、就寝中の歯ぎしりはストレスが原因となっている場合が多いから。
大人でも昼間嫌なことがあると歯ぎしりをして発散することがあります。
子供も分かってもらえない不安やストレスがたまると、このような形で気持ちの安定を図ろうとすることがあるのです。

歯ぎしりがあまり長く続く場合は、子供の様子をよく観察してみましょう。
そして、何か気にかかっていることがあれば、一緒に解決方法を考えてあげてください。

<鼻がつまってしまっている>
寝ている時に鼻が詰まると苦しいので、これが苦痛で歯ぎしりをすることもあります。
鼻づまりには、風邪、鼻炎、できもの、骨や軟骨の変形などの原因がありますが、小さな子供の場合はふざけて異物を鼻の中に入れてしまっていることもあるので、よく見てあげましょう。

軽い風邪なら温かくしてゆっくり休み、栄養のあるものを食べれば治りますが、その他の病気の可能性もあるので、鼻づまりがなかなか治らない時は、早めに耳鼻科へ連れていってあげてください。

子供の歯ぎしりをやめさせる方法1:顎を鍛える

普段から柔らかいものばかり食べていたり、あまり噛まずに飲み込んだりする習慣があると、顎の成長がうまくいかずに変形してしまうことがあります。
そうなると、当然噛み合わせにも影響が出てくるので、これが歯ぎしりの原因になるのです。

子供はよく「オカアサンヤスメハハキトク」の食べ物を好むと言われています。
これは、調理が簡単で子供もよく食べてくれるものの、栄養が偏りやすく、歯ごたえが少ないメニューの頭文字を取ったものなので、あまり頻繁に食卓に出すのは良くありません。
具体的には次のものが該当するので、これらのメニューは時々出すようにして、普段はもっと噛みごたえがあり、栄養バランスも良い「まごわやさしい」を基準にした献立を考えるようにしましょう。

<オカアサンヤスメハハキトク>
・オ/オムライス
・カ/カレーライス
・ア/アイスクリーム
・サン/サンドイッチ
・ヤ/焼きそば
・ス/スパゲッティ
・メ/目玉焼き
・ハ/ハンバーグ
・ハ/ハムエッグ
・キ/ギョーザ
・ト/トースト
・ク/クリームシチュー

<理想の組み合わせ! まごわやさしい>
・ま/豆
・ご/ごま
・わ/わかめ
・や/やさい
・さ/さかな
・し/しいたけ
・い/いも

子供の歯ぎしりをやめさせる方法2:ストレスを緩和させる

子供が不安やストレスを抱えていると感じた時は、いつもよりコミュニケーションの時間を多くして、気持ちをゆったりとほぐしてあげるようにしましょう。
大人と同じように子供の世界にもいろいろな出来事があり、悩みがあっても「恥ずかしい」「心配をかけたくない」という理由で大人に打ち明けられず、1人で苦しんでいる場合が少なくありません。
次のようなものが「子供のストレスサイン」と言われているので、普段の様子と照らし合わせてチェックしてみましょう。

<見逃さない!子供のストレスサイン>
・ぼーっとしていたり、考え事をしていたりする時が増えた
・歯ぎしりの他に、爪噛みや抜毛症(自分で髪の毛を抜いてしまう)が見られる
・チック(やたらとまばたきが多くなる)が見られる
・原因不明の頭痛や吐き気、腹痛などを訴える
・幼稚園や学校に行きたがらない
・イライラしたり、急に泣き出したりする
・落ち着きがなく、物事に集中できない
・暴力をふるうようになった
・アトピーやじんましんなどのアレルギー症状が出る
・おねしょをする
・どもってしまい、うまく言葉が出てこない

<親にできる対処法>
・治療の必要があれば、児童精神科やかかりつけの小児科に連れて行く
・「あなたが大切」と言葉に出して伝える
・子供が何か話したそうにしている時は、途中で用事を中断してでも話を聞くようにする
・寝る前に本を読んであげたり、ゆっくりと話をしたりする時間を作る
・ストレスによる子供の問題行動を責めない
・親の不仲は大きなストレスになるので、子供の前でケンカをしないようにする。お互いを認め合っている姿を見せて安心させる
・きょうだいがいる場合は、どちらか一方を贔屓しないように気を付ける
・早寝早起き、栄養バランスの良い食事、適度な運動といった、規則正しい生活習慣を整える
・習い事や塾が負担になっていないか見直す
・幼稚園や学校へ行きたがらない時は、担任の先生に様子を聞いて対処法を考える

子供の歯ぎしりをやめさせる方法3:歯科で治療を受ける

<マウスピースを作る>
永久歯も生え揃っているし、特にストレスをためている様子もないのに、なぜかいつまでたっても歯ぎしりが治らない。
このような場合は、とりあえずの対策として歯医者さんでマウスピースを作ってもらいましょう。
歯にはめて寝ると歯の削れを防ぎ、顎への負担を減らすことができます。
自分で歯型がとれる市販のマウスピースもありますが、正確に作れないとかえって噛み合わせを悪くする可能性があるので、できれば専門家にお任せしたほうが良いです。

●歯科でのマウスピース作成の流れ
1. レントゲン写真を撮り、口の中や顎の骨の状態を確認する。虫歯などで治療の必要がある場合は、まずこれを治してからマウスピース作成に取りかかる
2. 歯型をとり、マウスピースを作成する。約1~2週間で出来上がり

歯ぎしりの治療が目的の場合は保険が適用されるので、費用は5,000~7,000円ぐらいです。
寝る前に歯をキレイに磨いたらマウスピースをはめ、そのまま朝まで使って歯ブラシで丁寧に洗いましょう。
マウスピースを不潔な状態の歯にはめたり、洗わずに放置したりすると、細菌が繁殖して虫歯、歯周病、口臭の原因になるので気を付けてください。

<歯の矯正をする>
顎が小さかったり、良くない習慣があったりすると、永久歯がきちんとあるべき場所に収まらず、歯並びが悪くなることがあります。
このような場合は、将来的に健康や就職、恋愛に影響することも考えて、子供のうちに歯の矯正を始めるのも1つの解決法。
ただ、長い時間や費用がかかるし、子供本人への負担も大きいので、実際に治療を受けるかどうかは親子でよく話し合って決めましょう。
顎の成長が止まってからの矯正は強い痛みを伴うことが多いし、元に戻ってしまう可能性も高いので、もし始めるなら小学校低学年~高学年ぐらいの間がベストです。

子供が歯ぎしりをするのは成長の過程! ただ中には心配なケースもある

子供が歯ぎしりをする原因や、その対処法について説明しましたが、いかがでしたか?
ほとんどのケースでは成長の一過程なので問題ありませんが、中には深刻なストレスが原因のものや、鼻の病気が引き起こしているものもあるので注意が必要です。
子供の歯ぎしりが治らない時はその原因をよく考え、親としてできることがあれば適切な対処をしてあげましょう。