子供の仕上げ磨きをしていてこれって虫歯かもと思ったことはありませんか?1歳児や2歳児の初期虫歯の見分け方や主な症例、治療法などを画像を交えてご紹介します。
1歳の乳歯の初期虫歯の見分け方と対策
■初期虫歯と進行
虫歯は幼稚園や小学校に入るくらいの子供がなるイメージですが、歯が生えてきたばかりの1歳でも虫歯になります。日頃の歯磨きの時にこんな歯がないかを見てみましょう。
出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.
・透明感のない白濁とした白い点がある。
・茶色や黒色の線や小さな穴が出てくる。
これは虫歯菌が歯の表面のエナメル質にでき始めたサインです。そのまま放置し続けると虫歯は進行していきます。
虫歯の進行は通常、C0・C1・C2・C3・C4の5段階で表しています。この中で初期虫歯というのはC0やC1の状態を言います。
■哺乳瓶虫歯(母乳虫歯)
1歳の初期虫歯に多いのが哺乳瓶虫歯です。母乳虫歯とも言われています。
出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.
哺乳瓶虫歯は前歯の裏側と歯茎の境目にできることが多いため、歯全体を溶かしたり神経に近いところに広がります。
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長時間哺乳瓶を咥えていたり、哺乳瓶や乳首を咥えたまま寝てしまうことが原因で哺乳瓶虫歯になります。哺乳瓶で飲み物を飲むと、ストローやコップで飲むより飲み物が口の中に留まる時間が長くなってしまいます。すると、ミルクの糖分が歯にふれてる時間が長くなります。
哺乳瓶を使う事で必ずむし歯になるというわけではありません。しかし、哺乳瓶を咥えたまま長時間過ごしたり、寝てしまったりするとむし歯になってしまう可能性が高いので、注意が必要です。
■哺乳瓶虫歯にしないための対策
哺乳瓶虫歯にしないためには1 歳 6 か月までに、母乳・ミルクは卒業することが重要です。過去の多くの研究で、 1 歳 6 カ月以降の授乳により虫歯が急増すると報告されています。
歯が生えたらできるだけ哺乳瓶からコップへ、寝る前のミルクも早めにお茶や白湯等へ移行していきましょう。もし精神的な安定のために哺乳瓶をくわえるのであれば、中身をお茶かぬるま湯に変えてみましょう。
特にスポーツ飲料を水がわりに与えるのは危険です。日本小児歯科学会では『イオン飲料とむし歯に関する考え方(案)』において「イオン飲料のpHは3.6-4.6と低く,pH5.4以下ではエナメル質の脱灰が起こりむし歯になりやすいことなどより,イオン飲料が絶えず口腔内に残存するとむし歯の原因となる。夜寝る前や,夜中に起きたときにもこれを与えると益々この傾向を助長する。」としています。
もしスポーツ飲料を飲ませるのであれば歯磨きは徹底して行いましょう。
2歳に起きやすい乳歯の虫歯の症例
■2歳の虫歯は歯と歯の間や奥歯に起きやすい
2歳になると哺乳瓶・ミルクを卒業し、歯も多く生えて栄養を食事からとれるようになります。すると、食べ物が詰まりやすい歯と歯の間や奥歯のかみ合わせの部分に虫歯が発生しやすくなります。
出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.
2歳の虫歯は磨き残しが原因であることが多いです。乳歯は普通の歯よりも柔らかく、溝が深いため、磨き残しをしやすいです。特に奥歯の溝や奥歯の隣との歯の間などは仕上げ磨きでしっかりと磨いていきましょう。
■虫歯にしないための磨き方
歯の表面はこのようにブラシを縦に動かして磨くことが多いですが、これだけだと歯の側面が磨けていませんよね。歯の側面を磨く時は斜め45度に歯ブラシを入れます。
歯の根っこの部分は磨き残しが多く歯垢が溜まりやすいのでしっかり磨きましょう。また、溝の部分や後ろの方は歯ブラシの先の方を使用してかきだすように磨きましょう。
出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.
また、虫歯にしないためには磨く時のテクニックだけではなく、磨く順番を決めると磨き残しを防げます。
出典:おやこCAN 特集:大切にしたい!子どもの歯/学研.
磨き残しをなくし、虫歯を防ぎましょう。
■2歳に見られてくる虫歯以外の症例、着色汚れ
着色汚れは前歯の裏側につきやすいです。麦茶や、紅茶、ほうじ茶などを飲むと歯に着色しやすくなります。しかし、着色汚れは虫歯とは違うので痛みなどもなく心配いりません。
お茶は、フッ素やカテキンがふくまれているので、虫歯予防にもなり好ましい飲み物です。着色が嫌だから飲ませないというのはあまりよくないでしょう。
虫歯と着色汚れはどちらも見た目が茶色くなるため、素人が見分けるのは難しいです。茶色い歯が虫歯かどうか気になったら歯医者へ行きましょう。歯医者は虫歯の治療だけではなく、着色汚れも簡単に落とすことができます。もし気になるようであれば歯医者さんへ行きましょう。
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黒い薬で治す!子供の乳歯虫歯の治療法
乳歯虫歯の治療法として有名なのがサホライドです。サホライドは虫歯の進行止めの一種で、治療が困難な子供の虫歯治療や、削るほどではない小さな虫歯に使用されます。
出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.
サホライドはフッ化ジアミン銀のため、フッ素と銀が含まれています。虫歯になったところに塗布すると銀が吸着して、虫歯の進行を止めます。銀が虫歯にくっついて酸化するので、虫歯だった部分が黒くなります。昔から健康保険に適用されている治療法です。
お子様への負担が少ない、来院回数が少ない、治療費用が安いといったメリットがあります。しかし、塗った直後になめてしまうと、唇などに色がついてしまうことがあるので注意が必要です。
まとめ
初期虫歯の見分け方や虫歯が起きやすい場所や症例、治療法を確認して、日々の子供の仕上げ磨きに活かして子供が虫歯にならないよう守っていきましょう。