赤ちゃんの前歯のために知っておきたい3つの知識

口の中で一番見える場所にある前歯はとても重要です。すきっぱをはじめとした赤ちゃんの歯並びや、赤ちゃんの前歯が欠けた時の対処法など3つの知識をご紹介します。

赤ちゃんの前歯はすきっぱで大丈夫?

乳歯の下にはこれから生えてくる永久歯が待ち構えています。乳歯は上下左右に5本ずつしかありませんが、その下で上下左右に8本ずつの永久歯(親知らずを含む)が待機しています。
永久歯は今生えている乳歯よりも一回り大きいので、実はすきっぱの方が永久歯の生えるスペースがあってよいのです。
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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.
乳歯が隙間なく生えていると、永久歯が入るスペースが足りなくなることがあります。そして、スペースがない状態で永久歯が生えると、歯並びが悪くなってしまうことがあります。
そのため、乳歯の段階ではすきっぱの方がいいとされています。
しかし、永久歯が生えそろった段階でも前歯がすきっぱの場合は上唇小帯の部分を切らないといけないこともあるため、歯医者に相談しましょう。

赤ちゃんの前歯の歯並び

赤ちゃんの前歯の歯並びの種類として、出っ歯・開咬・乱杭歯が挙げられます。歯並びは永久歯が生えそろってから決まりますが、赤ちゃんの段階でも歯並びの知識を付けておいた方が良いでしょう。

■出っ歯
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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.
舌や指などの圧力により、まっすぐに生えず、歯が出てしまう状態を出っ歯と言います。写真を見てもわかるように、唇を閉じていても前歯の一部がのぞいてしまいます。
出っ歯になると食べ物が噛み切りにくくなり、顎に負担がかかるため、顎関節症になりやすくなります。

■開咬(オープンバイト)
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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.
上の前歯と下の前歯同士が当たらなくなるほど開いてしまっている状態を開咬と言います。オープンバイトと呼ばれることもあります。
開咬には3つのタイプがあり、垂直に歯が咬み合わないポッカリ隙間タイプと、前後水平に咬み合わない出っ歯タイプと両方が合わさったものがあります。開咬は将来非常に歯を失う可能性の高い状態なので、早めの治療が必要です。

■乱杭歯
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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.
歯がずれて生えていたり、重なり合っていたり、曲がっていたりしている状態を乱杭歯と言います。叢生などとも呼ばれています。
重なり合って生えているため、歯磨きでの磨き残しが多くなってしまいます。

これらのような前歯の噛み合わせが悪いと、食べること以外に発音にも大きく影響します。また、前歯でしっかりと食べ物を噛めない分、奥歯に負担がかかります。
前歯の歯並びが悪いあま放置すると、前歯だけではなく奥歯が徐々に悪くなり、最終的には歯を失うことへのリスクが高まります。
このような歯並びにならないために赤ちゃんのうちから気を付けたいですよね。

赤ちゃんの歯並びを悪くしないための対策
■定期健診に通うこと
歯並びはプロに見てもらうのが一番です。また、乳歯の虫歯は永久歯の歯並びにも影響します。そのため、歯医者で虫歯の早期発見やフッ素塗布をしてもらいましょう。検診をしている中で歯並びが悪くなっていないかの確認もできます。

■子供の癖を治すこと
よく噛んで食べるように習慣づけたり、口呼吸をさせないようにしましょう。特に指しゃぶりやおしゃぶりは歯並びを悪くする大きな原因となるため、2歳過ぎにはやめましょう。
ずっと鼻が詰まっていて口呼吸が治らない場合は、アレルギー性鼻炎の可能性もあります。耳鼻科へ受診してみましょう。

歯並びには遺伝的な要因もかかわってくるため、遺伝で歯並びが悪くなりそうな場合も歯医者で相談してみましょう。

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赤ちゃんの前歯が欠けた時の対処法

赤ちゃんの歯は永久歯に比べ、非常に柔らかくとても折れやすいため、転んだ拍子に歯が折れたり欠けたりすることがあります。前歯が欠けた時の対処法を事前に身につけておきましょう。

①歯が折れてしまった際に血が出ていたら止血をする。
水でゆすいだりすると血が止まりづらくなるため、乾いたガーゼなどで抑えて血を止めます。
また、血液は固まりやすいので飲みこんで気管に入ると危険です。血液は飲まないように気を付けましょう。

②欠けた歯を保存する。
破片の大きさにもよりますが、欠けた破片を歯医者に持って行くと接着剤を使って付けられる可能性があります。
欠けた歯は乾燥すると接着が難しいため、乾燥しないように保存が必要です。しかし、洗ってしまうと細菌が付いてしまうことがあるため、まずは洗わずに親の口の中に入れて保存しましょう。

欠けた歯を親の口の中に入れて保存している間に、下記のいずれかのものを用意し、保存します。
・未開封の牛乳パックの牛乳に浸ける。
・学校や保育園などにある保存液(ティースキーパー ネオ)に浸ける。
・薬局・ドラッグストアで販売している生理食塩水で保存する。
(生理食塩水がない場合は水を沸騰させて殺菌した後、100gの水に対して0.85gの塩を入れた状態にすれば保存可能です。)

③歯医者へ連絡
6時間以上経過すると欠けた歯の再接着は難しくなるので、すぐに歯科医へ連絡しましょう。
ちなみに、歯が欠けていなくてもぐらぐらしてしまうことがあります。そういった状態は歯の脱臼(だっきゅう)や根が折れている可能性もありますので、歯医者へ行き、レントゲンで確認してもらいましょう。

まとめ

一番目立つ部分の前歯を守るために正しい知識や対処法を身に着けて、赤ちゃんの健康を守りましょう。