赤ちゃんの歯に塗布するのは市販のフッ素?歯医者のフッ素?

赤ちゃんの歯にフッ素塗布を考えた時、自宅でするか歯医者でするか悩むことはないでしょうか。市販のフッ素と歯医者のフッ素の料金の違いや、塗布する頻度の間隔の違いなどを、メリットデメリットも交えながらご紹介します。

赤ちゃんの歯にフッ素塗布する必要性

赤ちゃんの歯が上下4本ずつ計8本生えてきた頃、フッ素塗布することをおすすめしています。ではなぜフッ素を塗布した方がよいのか、虫歯になるメカニズムとともにご紹介します。
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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学 著:増田純一、下川公一、河原英雄他著/クインテッセンス出版株式会社.

通常、食事をすると、虫歯菌が食べかすをエサにして酸を発生させます。その酸によって歯に含まれているカルシウムやリンが溶けてしまう「脱灰」が始まります。その後、唾液が虫歯を防ぐため、溶けた成分を元に戻してくれる「再石灰化」を行います。
フッ素を塗布すると歯の表面を強くし、脱灰の時に発生する酸に溶けにくくなります。さらに、溶けた部分を元に戻す再石灰化を促してくれます。つまり、虫歯になりにくい歯質になります。
特に、赤ちゃんの歯は永久歯と違って、歯が溶けやすく、虫歯の進行も早いのが特徴です。赤ちゃんの頃からフッ素を塗布して虫歯になりにくくしていきましょう。

赤ちゃんの歯のフッ素塗布にかかる料金

フッ素塗布には2つの方法があります。
市販のフッ素を使って自宅で行う方法と、歯医者へ行ってプロに塗布してもらう方法です。それにより効果も料金も異なっていきます。
市販されているフッ素は料金が500円以内で購入できます。歯医者で塗布するフッ素は1000円程度の料金で行えます。
しかし、フッ素塗布は乳児医療補助対象外なので、歯科医によっては2000~3000円料金が程度かかるところもあります。一度お住まいの自治体に問い合わせるとよいでしょう。歯医者ごとの料金は歯医者に電話で問い合わせると教えてくれます。
なぜ市販のフッ素と歯医者のフッ素ではこんなにも料金に差があるのでしょうか。こんなに差があるなら市販のフッ素を自宅で塗布するだけでいいのではないかと考えがちですが、実は市販のフッ素と歯医者のフッ素では濃度が全く違うのです。フッ素の濃度が濃いと効果も変わってきます。
市販でのフッ素塗布と歯医者でのフッ素塗布お互いのメリットデメリットをまとめてみました。

■市販のフッ素塗布
メリット
・料金が安い。(500円以内のものが多い)
・自宅で塗布できる。
・研磨剤が少ないものやうがいができなくても使えるもの、赤ちゃんの好みの味を自分で選ぶことができる

デメリット
・濃度が低い(最高で950ppm)ため、効果が弱い。(特に400ppm以下は塗布してもほとんど効果がない)

■歯医者でのフッ素塗布
メリット
・濃度が高い(9000ppm程度)のため、予防効果が高いこと。
・赤ちゃんの歯の健康状態を見てもらったり、虫歯予防の相談ができること。
・赤ちゃんを歯医者さんに慣れさせておくことができること。
・自治体によっては無料でフッ素塗布してくれることもある。

デメリット
・市販のものに比べて料金が高い。(1000円程度)

フッ素塗布を歯医者で行うことは予防効果が高いだけでなく、赤ちゃんの健康状態を見てもらったり、歯医者に慣れさせることができるメリットがあります。
料金は市販よりも歯医者の方が高くなりますが、2倍程度の料金で10倍の濃度を塗布でき、赤ちゃんの歯の健康状態も診てもらえると考えると、歯医者での塗布の方がお得かもしれません。

3章:赤ちゃんの歯にフッ素塗布する間隔
市販のフッ素を塗布する場合と歯医者での塗布の場合はフッ素塗布する間隔が異なります。市販の場合は濃度が低いため、間隔をあけず毎日塗布しても問題はありません。しかし、歯医者での塗布は赤ちゃんの歯の状況にもよりますが、大体3ヶ月~6ヶ月間隔をあけることが多いです。
そのため、普段は市販のフッ素を使用し、何カ月かに1度のスペシャルケアとして、歯医者でフッ素塗布をしましょう。

まとめ

赤ちゃんの歯にフッ素を塗布する場合は料金や塗布する間隔などをしっかりと把握することが大切です。市販のフッ素と歯医者のフッ素をうまく使い分けて赤ちゃんの歯を健康にしましょう。