親なら必ず知っておきたい「乳歯の虫歯」の見分け方、見つけ方の7つのポイント総まとめ

乳歯は永久歯に比べて虫歯になりやすいと言われてます。小さいお子さんが虫歯になったら大変です。我が子には痛い思いをさせたくないですよね。
仕上げ磨きをしていても、乳歯の虫歯の見分け方、見つけ方を知らなかったら、あっという間に虫歯になり進行してしまいます。
そこで親なら必ず知っておきたい「乳歯の虫歯」のポイントをまとめてお伝えします。

乳歯の虫歯は白色

乳歯や歯茎の境目を見たときに、透明感のない白い点のようなものを見つけたことがあるお父さんお母さんはいらっしゃいませんか?それは「白い虫歯」と言われる乳歯の初期虫歯です。
初期虫歯とは虫歯が歯の表面のエナメル質にでき始めた状態を言います。
白くなるのは、エナメル質の再石化不全が原因です。他に、乾燥によっても目立ってしまうこともあるようです。
このような初期虫歯であれば歯医者で削ったり詰め物をしたりしなくても、フッ素入りの歯磨き粉などで歯を再生させられる可能性があります。
しかし、初期虫歯を放っておくと表面のエナメル質から内部の象牙質を通り、だんだんと神経に行き渡っていきます。
乳歯は柔らかいので虫歯は早く進行します。
また、痛みの感覚が未発達な子供は虫歯になっても痛みに気づかずあっという間に虫歯へと進行してしまいます。

乳歯は神経までの距離が永久歯に比べ短いため、たった数週間でも虫歯が神経に達してしまうと言われています。
もしも白い点をみつけたり、いつもより歯が白いところがありましたら念入りに磨くようにし、仕上げ磨きは丁寧にしてください。
定期検診でお口の中の環境を常にととのえておくのも良いでしょう。
白い点のような段階で気づけるよう、お父さんお母さんが日頃からのチェックをしてあげてください。

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出典:たかしデンタルクリニック

歯医者さんが薦める歯磨き粉で虫歯をゼロに!

乳歯の虫歯ができやすい場所:奥歯と奥歯どうしの歯の間

お父さん、お母さんがかなり気を使ってるにも関わらず、奥歯は虫歯が出来やすい場所です。
奥歯どうしの歯の間は隙間がないため、見た目にはわかりづらく、虫歯が進行しても気づくのが遅れ、ひどくさせてしったという経験のあるお父さんお母さんもいらっしゃるでしょう。子供の場合は、自覚症状がない場合もあるので注意してなければなりません。
また、一見小さい虫歯のように見えてても、歯と歯の間でわかりにくく、中で大きく虫歯が広がってることがよくあります。そういった場合は、深く削って治療していきます。
奥歯の歯磨きは、頬の粘膜があるため、歯ブラシをあてるのがとても難しいです。奥歯の歯並びが悪いと、角度をつけて磨かないと食べかすが残ってしまうので、歯の大きさにあった歯ブラシやフロスなどを使うことをおすすめします。磨きにくい場合は、歯医者さんで衛生士さんに相談し歯磨き指導をしてもらうとよいでしょう。
奥歯の場合、気づいた時には穴が開いてしまっていた、ということも少なくありません。歯医者でレントゲンを撮って初めて気づくことも多いので、よく注意してあげてください。
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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学 著:増田純一、下川公一、河原英雄他著/クインテッセンス出版株式会社.

乳歯の虫歯ができやすい場所:上の前歯と、前歯どうしの隙間

前歯は飲み物が原因で、虫歯になることが多い歯です。哺乳瓶で長時間、ミルクやスポーツドリンクなどを与え続けたことによりできる「哺乳瓶虫歯」というものがあるくらいです。
いつも見えている歯だから、と仕上げ磨きのときに気を抜かないようにしましょう。前歯の虫歯はかなり目立つので、子供も一番ショックを受ける部分になります。そのため、虫歯になった時に歯医者では金属ではなく、樹脂の詰め物で治療することが多いです。しかし、時間がたつと詰め物が変色することも多いので、治療をしても少し目立ってしまうことがあります。

前歯は、歯の裏側から大きな虫歯が出来てしまう可能性もあります。裏側は神経に近いので虫歯がすぐ痛み始めてしまいます。
また、裏側は磨きにくいことと、表側からは虫歯ができてしまっていても見えず、気づきにくいので、デンタルミラーなど使い気をつけて仕上げ磨きをしてください。デンタルミラーは薬局などでも気軽に購入できます。

実は、上の前歯は虫歯になりやすく、下の前歯は虫歯になりにくいと言われてます。
なぜならば、下の前歯の裏側には唾液を分泌する大きな腺があって、刺激がなくてもいつも唾液が出ているからなのです。唾液は自浄作用があるため、常に唾液に触れている下の前歯は、虫歯が少ない傾向にあるようです。上の前歯、特に裏側は要注意です。
一人で歯磨きをするようになってからも、会話している時などにしっかりお子さんの前歯をチェックするように気をつけましょう。

乳歯の虫歯ができやすい場所:奥歯の溝

乳歯の溝は深く、虫歯菌がたまりやすい形をしています。子供の歯磨きだけでは歯ブラシが奥まで届かないために虫歯菌が残ってしまい、虫歯菌が奥に進行していきます。仕上げ磨きをきちんとしてあげることが大切です。
さらに溝の部分のエナメル質はほかの部分に比べて柔らかいため、虫歯に対して抵抗性も弱くなっています。このため虫歯になりやすい場所となっているのです。
小学生くらいの子供が、もっとも虫歯になりやすい場所は、奥歯になります。
乳歯の奥にはえてくる六歳臼歯は、完全に生えてくるまで、約1年ほどかかります。その間に、手前の歯よりも低い位置に生えてるので、歯磨きがとても難しく、どうしても磨き残しが出てしまいます。毎日の歯磨きで、その段差を意識して仕上げ磨きをしてください。
お伝えしてきように、溝に歯垢が残ってると虫歯菌が住みやすくなります。常にその溝の部分が磨けず磨き残しがあるようでしたら、虫歯が進行しやすいです。定期的に歯医者さんでみてもらい、衛生士さんから歯磨きの仕方を再確認されてみてはどうでしょう。歯磨きは回数ではなく、正しくきれいに磨けてるかどうかです。

しかし、奥歯の表面にある溝は、歯ブラシの毛先よりも細かいことがあるので、溝の中まで汚れを落とすのが難しく、虫歯になりやすいです。そこでよく聞くのが「シーラント」治療です。
シーラントとは、溝の汚れをおとしてから、溝にプラーク(歯垢)が入り込まないように、専用の樹脂で埋めてしまうことで、虫歯を予防してくれます。奥歯の溝に事前にコーティングしておくといったイメージです。歯を削らず埋めるだけの処置なので、小さいお子さんでも簡単に行えます。気になってる方は歯医者さんと相談してみてください。

乳歯の虫歯ができやすい場所:乳歯と歯茎の間

子供の歯茎は柔らかく、歯ブラシが強く当たると痛がります。
ただ仕上げ磨きの時に、歯と歯茎の境目をきちんと磨けないと初期虫歯が始まってしまいます。正しい歯磨きで歯に付着したプラーク(歯垢)の量を減らすことが大切になってきます。
プラーク(歯垢)の中の細菌がうみだす「酸」や「毒素」が虫歯の主な原因となるため、プラークコントロールをしっかりと行って細菌の数を減らせば、虫歯の予防が期待できます。

プラークコントロール=歯磨きだと思ってる人が多いのではないでしょうか。プラークコントロールは正しい歯磨きだけではなく、デンタルフロスや歯間ブラシも一緒に使用し、歯と歯茎の間についてしまったプラーク(歯垢)の量を減らすことも含みます。
歯磨きのコツとしては、歯茎に対しては45度くらいの角度に毛先をあててハブラシを細かくやさしく動かしましょう。口の中をよく見ると歯と歯茎の間には少し段差があります。この段差により、磨き残しになることがあります。歯磨きのコツをつかみ、お口のケアをしっかり行いましょう。

乳歯の虫歯ができやすい場所:歯並びが悪い部分

歯並びが悪い部分は、歯ブラシの毛先が届きにくくなるため、磨き残しが出来やすいです。そのため乳歯が、虫歯や歯肉炎といった歯の病気になりやすくなります。
特に歯と歯の間に黒っぽい変色があるようなら、早めの治療をしましょう。また、咬み合わせが悪く、食べ物がよくかめないと、だ液の量が減ってしまい口の中の汚れがたまってしまいます。虫歯だけでなく、口臭の原因にもつながってしまうので気をつけましょう。
歯並びが悪いお子さんは、成長を利用して歯並びをきれいにする矯正歯科医院へ一度相談に行かれてもいいでしょう。
子供のころから矯正をはじめれば、あごの発育に合わせながら骨格バランスを整え、永久歯がいい場所に生えてくるようにすることもできます。永久歯がいつまでも健康な歯でいられるよう、矯正も虫歯予防のためのいい方法かもしれません。

歯並びについて以下項目を参考にしてください。
歯並びが悪い8パターン

■反対咬合(受け口)
下の前歯や下あごが上の歯より前に出てる状態

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■開咬
口を閉じても前歯が上下で咬み合わない状態

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■交叉咬合

奥歯の咬み合わせが悪くてあごが横にずれてしまう状態

■八重歯、乱ぐい歯
歯がデコボコに生えてる状態

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■上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)

上下の前歯が突き出てる咬み合わせの状態

■すきっ歯
歯と歯の間に隙間がある状態(永久歯に生え変わってからも隙間があるとき)

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■過蓋咬合(かがいこうごう)

上の前歯が下の前歯に深くかぶさってる状態

■出歯(上顎前突)
上の前歯や上あごが前へ突き出てる状態

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出典/全て:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.

気になる歯並びがあったら矯正歯科医院へ一度相談に行ってみてください。理想的な歯並びを作ることができます。
乳歯はキレイな歯並びの土台となります。歯並びが悪いことで、磨き残しができ、大きな虫歯になりがちです。
虫歯になり歯髄が傷むと、根っこから上の部分の形がくずれてしまいます。そうなると、隣の歯がくずれたところに少しずつ移動して歯並びが悪くなってしまいます。
乳歯は、その後にひかえてる永久歯の道案内のような役割もはたしてくれてます。
乳歯はいつか抜けてしまうからと放っておかず、虫歯かなと思ったら早めに治療しておくことが大切です。

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「乳歯の虫歯」茶色の点をみつけたら歯医者へ行きましょう

虫歯菌が歯の内側の象牙質まで進行すると、歯の表面に茶色い点や線が出てくるようになります。
茶色い点の正体は、着色汚れ、または虫歯菌のいずれかになります。
しかし、着色汚れと虫歯の違いを素人が見分けるのはとても難しく、しかも乳歯は痛みを感じづらいので、子供自身にもわかりづらいのです。
茶色い点を見つけたら、痛みを感じるなどの症状がなくても、歯医者へ行くことをおすすめします。
もし茶色い点が虫歯だった場合、歯を削りその部分に詰め物をすることが多いです。
虫歯が大きな場合は金属、小さい場合は歯と同じ色の材質のハイブリッドセラミックスを詰めることが多いと思います。その際には2~3回の通院が必要になります。

ただ、子供の年齢が小さかったり、子供が治療を嫌がり怖がる場合は、虫歯を全部とりきることができないこともあります。
このような場合は、詰め物と歯の間に抗菌物質の入った接着剤を使うことがあります。
そうすることで、虫歯が少し残ってたとしても、虫歯の進行をとめることができます。
まずは、抗菌物質で虫歯の進行をくいとめてから、子供が治療を嫌がったり怖がったりしなくなってから、徐々に治療を再開していきます。
その間、定期検診には通い、お口の中の状態を歯医者さんに確認してもらいましょう。

もし茶色い点が着色汚れだった場合には、クリーニングやホワイトニングという治療になります。
しかし、費用もかかり永久歯に影響を与える場合もあるので、歯医者さんで相談して決めた方がよいでしょう。
もし、そのまま虫歯を放置してしまうと、神経まで虫歯菌が進行してしまいます。
また1本の歯に虫歯菌ができたということは、他の歯にも虫歯菌がいると思ってもいいでしょう。
乳歯は永久歯よりもエナメル質が弱いため一旦虫歯になると進行も早いので、虫歯になる前にふせぎたいものです。
特に乳歯は永久歯に比べて神経までの距離が短いこともあり、たった数週間放置するだけでも、虫歯菌が神経に達してしまいます。
茶色い点を見つけたら放置せずに、必ず歯医者さんに行くようにしましょう。
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出典:よしだ歯科クリニック

まとめ

白い点や茶色い点は「乳歯の虫歯」を見分ける重要なポイントです。
乳歯は虫歯になりやすいので、虫歯ができやすい部分はよく目を凝らして、お口の中のチェックをしてください。
虫歯かなと思ったら歯医者さんへ相談し、早めの治療を行ってください。