【画像あり】乳歯時期に必読!赤ちゃんのエナメル質形成不全の原因3つと治療法

エナメル質形成不全という病気を聞いたことがありますか?
歯の表面がでこぼこしていたり、大きくくぼんでいたり、変色していたりする病気です。
乳歯では少ないですが、永久歯だとおよそ10%の人がエナメル質形成不全になっています。
乳歯がエナメル質形成不全になると虫歯になりやすくなってしまいます。
エナメル質形成不全になってしまう原因・治療法・虫歯との関係性など、乳歯はもちろん、永久歯をエナメル質形成不全にしないために、赤ちゃんのうちに知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

乳歯がエナメル質形成不全になる原因

エナメル質形成不全とは歯の表面の病気です。
通常歯の表面はエナメル質というもので覆われています。エナメル質は人体の中で一番硬い素材でできていて、虫歯にならないように歯を守っているものです。
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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.

このエナメル質が何らかの原因により、上手く作られなかった歯のことをエナメル質形成不全と言います。
エナメル質形成不全と聞くと珍しい病気のように思われがちですが、決して珍しいものではなく、永久歯では10%程度、乳歯ではそれ以下に見られる病気です。
生えたばかりの歯の表面の色が濃い白や黄色、茶色など、変色している状態は軽度、歯の表面にくぼみがあったり欠けて生えてくる場合は重度のものになります。
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出典:目で見るお口の百科 家庭の歯学/クインテッセンス出版株式会社.

エナメル質形成不全の乳歯は、歯を守りバリアとなるエナメル質がないため、正常な歯に比べて虫歯になりやすくなってしまいます。
ですがきちんと対策をすれば大丈夫です。原因と対策を学び、乳歯を守りましょう。

乳歯がエナメル質形成不全になる主な原因は健康状態によるものだと挙げられています。

■栄養障害
→歯の成分であるカルシウムやリン酸の不足やビタミン不足、とくにビタミンD欠乏症の人はエナメル質に形成障害が起こることがあります。

■発疹性の病気、熱性の病気
→生後1歳前後に発疹性の病気や熱性の病気にかかると、病気や与えられた薬の影響により、エナメル質の元になるエナメル芽細胞が影響を受けてエナメル質の形成が阻害されることがあります。

■過度のフッ素摂取
→高濃度のフッ素を長期間にわたって摂取すると歯に変色を起こしたり、歯にくぼみができることがあります。しかし、日本で市販されているものに関しては低濃度なのでほぼ問題はないでしょう。

遺伝によってエナメル質形成不全になる場合もありますが、8千人から1万4千人に1人と言われているため、かなりまれです。
しかし遺伝でエナメル質形成不全になると、乳歯、永久歯のすべての歯にエナメル質形成不全が起こってしまいます。

赤ちゃんのエナメル質形成不全の治療法

エナメル質形成不全の治療は、エナメル質の代わりとなる新しいバリアを作る治療になります。
歯の表面のバリアを治療で補い、歯の表面を強くしてあげるのです。
歯の表面を強くするために主に2種類の治療法があります。フッ素塗布とレジン充填です。

歯の色が変色している軽度のエナメル質形成不全の場合は歯科医院で定期的にフッ素塗布します。
高濃度のフッ素を活用することで、歯の質を強化し、溶けにくい強い歯を作ることが出来ます。
高濃度のフッ素を長時間にわたって摂取するとエナメル質形成不全になる可能性があるとあげましたが、ここでは歯医者が歯の状況や赤ちゃんの様子を見ながら塗布するため、安心してください。
フッ素の塗布は虫歯の予防にもなります。大体は3ヶ月に1回塗布しますが、症状によって頻度などが変わる可能性もあります。歯医者で相談しましょう。

◆歯医者でのフッ素塗布費用と頻度

・濃度:9000ppmの高濃度
・費用:1回1000円程度
・頻度:3ヶ月に1回程度
※フッ素塗布は乳児医療補助対象外なので、2000~3000円程度かかるところもあります。頻度も症状によって変わる可能性があります。

表面がでこぼこしている重度のエナメル質形成不全の場合はレジン重鎮を行います。レジンとはコンポジットレジンの略で虫歯になったときなどによく使用する歯科用のプラスチック材です。
レジン重鎮することで柔らかくなったところや、でこぼこになっているところを補強・修復します。レジンは経年劣化して何年後かには色が変わってしまうこともあるため、見た目や色が気になる場合は歯の色に近いセラミックを使用することもあります。
エナメル質形成不全かどうかの診察、詳しい治療の方法は歯医者へ行き、相談しましょう。

乳歯のエナメル質形成不全と虫歯の関係性

エナメル質形成不全になると虫歯になりやすくなります。
また、乳歯でエナメル質形成不全になっていなくても、乳歯を虫歯にしたり、乳歯をぶつけたりすることで、永久歯がエナメル質形成不全になることもあります。

エナメル質形成不全の対処法と予防法について詳しい記事はこちら。

そのため、現在エナメル質形成不全になっていなくても、乳歯を虫歯にさせないためにしっかりとした虫歯対策を行わないといけません。歯が生えてきたらガーゼ磨きを開始し、1日1回夜には磨くようにしましょう。
乳歯が上下4本ずつ生えそろった1歳半には歯医者でのフッ素塗布とともに歯医者デビューをさせましょう。
その後も定期的にフッ素を塗布したり、歯の状態を診てもらうことで、エナメル質形成不全や虫歯の早期発見に繋がります。
歯磨きの仕方なども指導してくれるので、普段の習慣から虫歯予防を見直すきっかけにもなります。

乳歯の時点でエナメル質形成不全でなくても、永久歯をエナメル質形成不全にしないためにも虫歯にはきちんと気を付けましょう。

ガーゼ磨きの時から使える歯磨き粉で徹底的に虫歯予防!

まとめ

乳歯のエナメル質形成不全は治療法があります。赤ちゃんの歯がおかしいと思ったらすぐに歯医者に相談しましょう。
エナメル質形成不全は早期発見できれば虫歯になってしまう前に治療ができます。
また、乳歯虫歯は永久歯をエナメル質形成不全にする可能性があります。原因・治療法・虫歯との関係性をきちんと知って、永久歯がエナメル質形成不全にしないように気を付けましょう。

更に詳しい乳歯エナメル質形成不全についてはこちら。